LE NOIR -THE DARK SIDE OF CIRQUE-
2012年 12月 25日
とにかく興奮して・・・途中、何だかわからないけど涙がぁ~!
今年一番の作品に出逢えた幸せなクリスマスの夜でした。
もともとシルクド・ソレイユは大好きだけど・・・この作品は今までと違うぞ。
今まで額縁の中にあった作品が目の前に降りてきたような感動と興奮。
近い・・・とにかく近い。
手を伸ばせば触れられそうな・・・という形容があるけど、これはマジで手を伸ばした触れちゃう。
こんな小さな舞台で・・・こんなことも・・・
こんなことも・・・
今までのシルクは芸術性に志向が向いていたけど、今回はショーに仕上がっていた。
繰り広げられる技系のパフォーマンスは言うまでもないが、とにかく演出が素晴らしかった。
小さい、近いということを完全に逆手に取ってた。
出演者は舞台と客席(通路)を隔てなく使い、垣根が取り払らわれている・・・にもかかわらず、舞台上で行われている圧倒的なパフォーマンスで舞台上は聖域のような感じがする。
円形ステージに開いた切り穴は出演者の出入りの他に、振り落としの幕や小道具などをするすると飲みこんでゆく。
衣裳もよくある感じなんだけど、洒落てる。着る人のスタイルがいいということもあるが・・・。
露出度が凄いのに全然気にならないのは肉体自体が衣裳になってるからだね。
照明もきれいだった。あんなに近いのに手の届かない世界を作り出してた。
クラウンの客いじりは客席に入り込んでいくのではなく、観客を舞台上に連れて行くパターン。
張りつめたパフォーマンスの空気を一気に弛緩させる。
緩急の妙・・・。
でも、でも、一番感動的なのは音楽との一体感だ。
あの凄いパフォーマンスを含めて作品全体が音楽にくるまれている・・・無音も含めてね。
ただ歩いたり、モノを渡したり・・・こんな小さなところまでと、驚くほど計算されている。
泣けちゃうんだね。そんなところに・・・。
やってることはよくある手法。なのにこんなに・・・。
とにかく全てがスピーディでスマート・・・アイディアに溢れていて、お洒落で・・・あぁ、なんてカッコイイんだろう!なんて素敵なんだろう!
感動しながら、打ちひしがれてるもう一人の自分がいた。
・・・日本人じゃ作れないな・・・って。(←これはあくまでも個人的な感想です。)
チクショウ・・・。
日本にいることを忘れてしまった至極の舞台でした。
ネットで見つけたリハーサル風景。会場のリアルな雰囲気がよく分かる。
(何気なくやってるリハーサルも凄い?笑)